主婦の気持ち

クローズアップ現代【ルポ刑務所の女たち】女子刑務所経験者が観た感想

クローズアップ現代刑務所の女たち

2019年5月21日 (22時〜)NHKのクローズアップ現代で高齢者のおひとりさまは、なぜ窃盗を繰り返すのか?高齢者が何度も服役を繰り返すその背景について取り上げられていましたので

女子刑務所を2回トータル7年服役した経験者の@アウトロー主婦 恋 が、番組を観て感じたことや番組内容に沿った刑務所の話をしたいと思います。

高齢者がなぜ窃盗を繰り返し刑務所に行くのか?

日本にある女子刑務所の1つである岐阜の笠松刑務所は収容人数360人。

その内の約5人に1人が65歳以上の高齢受刑者です。

笠松刑務所は高齢受刑者の収容が多いのですね。

笠松刑務所の運動風景を観ましたが、高齢受刑者同士が一緒になって運動に出ている様子を見ると、この刑務所は高齢受刑者の工場(通称モタ工)が特別に配置されていたようです。

高齢者は一般受刑者より、比較的、動作がゆっくりしているので一般受刑者とは別の工場で特別な作業をすることが多いですね。

高齢者が窃盗を繰り返す動機の背景

テレビで取り上げていた高齢者の窃盗の動機を表にしてみました。

心身の問題 28.6%
近親者の病気 死別 28.6%
家族との疎遠 15.4%
収入減 11%

心身の問題とは身体が不自由になってきたり、やはり認知症の進行や生き辛さを心に抱えたお年寄りが多くいるのが分かります。

刑務所にも、数多く誰も身寄りもなく手紙や差し入れのないお年寄りが沢山いました。何度も窃盗で刑務所にきているお年寄りと同じ部屋になる事も少なくなかったのですが

やはり、寂しさから盗みに走る人や中には

刑務所の方が、沢山人がいて話せる相手もいるから私は刑務所の方が暮らしやすい」と言う強者の高齢者もいます。

収入が無い不安から窃盗を繰り返す背景とは

やはり、誰でもそうですがお金がなくなってくる状態で働けない状態なら不安になりますよね。

若い時にちゃんとした仕事に就けていない。そうすると高齢者になった時に貰える年金の額が低い。

貯金を切り崩して節約をするため貯金を減らさないように犯罪に手を染める。と行った背景があるようです。

アウトロー主婦
アウトロー主婦
え?節約って何?

節約=窃盗に繋がるのは少し悲しい感じがしますね。

高齢受刑者に限らず、お金を使いたくない、これ以上お金のことで不安になりたくないから窃盗に走ってしまう受刑者は刑務所にも沢山いました。

それが「節約」と言う言葉で一括りにされているのはどうかと思いましたが・・。

ちょっと「節約」の使い方、間違ってないかな?

高齢者の万引きの動機を詳しく解説していたのでお話しします。

高齢者が万引きに手を染める犯罪の動機とは?

女子刑務所に服役する受刑者の犯罪名で一番多いのが窃盗です。

中でも65歳以上の累犯(なんども刑務所に服役している)の高齢者は本当に多かったと記憶しています。

しかし、窃盗を繰り返す高齢者に対して

アウトロー主婦
アウトロー主婦
動機は何なん?何で盗んだん?

なんて聞いたことがなかったですね。

実際に私が話したことのある高齢受刑者は

お金も無いしな、身寄りもない。自分はこのまま刑務所で死ぬんやと思う。あんたはもう刑務所来たらあかんで。

そう言って居たのを思い出しましたが、高齢者になってくると刑務所に行くことは怖くないと言いますか、刑務所覚悟で犯罪を犯してると言ったイメージがありました。

刑務所覚悟で犯罪を犯していく高齢者の動機はどんなものなのでしょうか?

今回NHKで放送されていた中で高齢者の犯罪の動機について集計が挙げられていたのでまとめてみました。

節約 78.7%
自己使用、消費目的 58.3%
盗み癖 27.6%
生活困窮 15.7%
軽く考えていた 14.9%
ストレス発散 12.6%
空腹を満たすため 4.7%

出ましたね。「節約」

これは、お金が減ることへの不安から「今以上にお金を使いたく無い!」と思いから窃盗という犯罪に繋がっているのですね。

刑務所で同じ部屋だった高齢のおばあちゃんは、以前「盗み癖は治らんからもうしょうがない・・どそれより、どうやったら見つからん(犯罪が)ようにするかや」

と肩を落としていたのを思い出しました。

この動機の一覧表を見ると、心の問題が大きく繋がっているのが分かります。

なぜ?どうして心の問題が犯罪へと繋がっていくのでしょうか?

クローズアップ現代のゲストに来ていた村木厚子さん(厚生労働事務次官を退職後、累犯者の雇用対策にも関る)がおっしゃるには

刑務所に行く前にしっかりと地域や福祉と繋がっていない事1人で孤独を抱えSOSの出せない気づかれない事も1つの大きな問題だ。と話していました。

高齢化社会になっていく中で、全員が全員社会と繋がり続けるのは簡単なことじゃないように感じました。

誰にも気づかれずに、誰とも話さずに、老いていく。

どこから、何をきっかけにSOSを出せば良いのでしょう。

地域と繋がっていないとはどう言う事でしょうか?

高齢者が地域と繋がる、孤独をなくすとはどう言うことか

身寄りや頼る所の無い高齢者がどんどん孤独になっていくこの社会で地域のボランティアなどを利用して介護相談や

お金の相談ができるような施設に頼る事も大切な事ですね。

市役所などに、生活保護の相談をしたり介護施設の職員が高齢者の自宅を伺える状態。

まずはここから「高齢者の孤独」「金銭的な不安」を取り除く事に繋がるのでは無いのでしょうか。

誰も身寄りのない高齢のお年寄りが福祉につながっていない事は大きな問題であると言われていましたが、どの様にして福祉につながればいいのか?

また、地域との交流を孤独なお年寄りたちがどの様にして受ければ良いのかももっと詳しく知りたかったのが本音です。

もっと地域のボランティアの方や福祉の方が頻繁に高齢の孤独なお年寄りの自宅を気軽に訪れられる様な環境も必要だなと感じました。

なぜ高齢者の孤立が犯罪を繰り返すのか

お金がなくて、不安になる。

認知症が知らぬ間に、誰にも気づかれぬままに進んで行ってしまう。

誰にも相手にされない、近所との付き合いも無くなる事で孤立していってしまう。

その寂しさや心身の不安から犯罪に繋がることが多くある世の中に少し憤りを感じました。

頼れる家族のいない1人暮らしの高齢女性が、介護などの支援も受けれずに孤立していきまた犯罪に手を染める。

笠松刑務所の刑務官もインタビューでこう答えていました。

「2回も3回も来ている人を見るとまたか・・と悲しくなる」と。

それは高齢者犯罪者に限らず、刑務所に何回も来ている人を見ると「悲しくなる」と言うこともあるのでしょうね。

認知症の高齢者の刑務所の暮らし

犯罪を繰り返す高齢者の中には認知症の進んでいる受刑者も多くいます。

認知症が進むと、良し悪しの判断も付きにくい。だからと言って犯罪が許されるわけでは無い。

なので刑務所に来る前に、しっかりと地域やボランティア、福祉と繋がっていくことが大切なのだと強く思いました。

認知症が進んでいる受刑者は刑務所では扱いも大変になっていきますし何よりも本人が一番苦しい思いをします。

なぜなら集団行動や規則に縛られた施設で矯正されるわけですから認知症が進んでいる高齢者は集団行動や規則に対して、すぐに理解する事ができません。

そのために認知症が進んでいる受刑者は、一般受刑者と少し違った対応がされています。

認知症の受刑者は普通の受刑者と同じ扱いが難しい訳

認知症の受刑者でも一般受刑者と変わらず刑務作業はしなくてはなりません。

よっぽど体調が悪い、立ち上がることが出来ない受刑者を除いては皆作業はしなくてはなりません。

私は刑務所で服役中に作業の班長になり同じ受刑者に対して作業を指示する立場にいた経験がありますが

認知症が進んでしまっている受刑者は一般受刑者と同じような作業をうまく聞き取り指示通りにできないことが多く作業も限られて来ます。

一度作業工程を説明しても、次に見にいくと全然違う作業を、全然違う工程で進めている・・なんて事もありました。

でも作業をさせないわけには行かないので、ビーズの色分けや布を畳む簡単な作業を特別にしてもらう事も多かったです。

高齢者にり認知症が進むと数を数えたり、部品を順番どうりに組み立てると言った作業は困難でした。

中には、ずっと「ボー」っと席に座って外を眺めているだけの高齢者も居ます。

その度に看守が席に近づいて「作業をしなさいよ」「1つでも良い。ゆっくりでも良いから作業をしなさい」そう言います。

私はいつも感じていました。

自分の母よりも年上の高齢者に接する事も少なくない看守は

どんな気持ちで認知症や高齢受刑者と毎日接しているんだろうと・・。

高齢者の出所後の自立のためのリハビリ

刑務所では認知症予防のためのリハビリが積極的に取り組まれてる様です。

テレビでも言っていましたが、刑務所は「老老介護」と言ってお年寄りがお年寄りを介護しなければいけない現状がある(受刑者同士)。

確かに実際に刑務所では健康な高齢者が歩行困難な高齢者の支えをしながら運動している光景も見かけられました。

もちろん支えは刑務官の許可は必要ですが・・。

そんな負担を少しでも減らせる様に笠松刑務所では、一般受刑者の職業訓練として「介護福祉士」の資格が取得できる様になっています。

日本の女子刑務所の中でもこの「笠松刑務所」は、この職業訓練に最も力を入れていて色々な女子刑務所から職業訓練を受けにこの笠松刑務所に移送されて来るくらい有名です。

そんな職業訓練で最も人気の高い「介護福祉士」の講座を学びながら実際に高齢者の介護にもあたってるというわけですね。

そして介護福祉士の資格を取った受刑者も出所後にはその資格を活かせる職業に就くのが多い様です。

現在、笠松刑務所では15人ほどの受刑者が高齢者の介護にあたっています。

高齢者の出所後の自立のために外部の医学療法師が受刑者とリハビリをする時間を設けて、歩行訓練などのリハビリを行なっています。

一般受刑者と比べて高齢受刑者は出所してからの不安は大きくあるように感じます。

身体の問題や、帰住地、お金。

若かったら何とかなるような問題でも高齢者になっていくと簡単な問題じゃなくなってくるんですね。

社会に帰った時に、少しでも自立できるような状態にしておくと言った刑務所側の配慮なんて考えた事もありませんでしたが、私も社会に帰る場所(帰住地)がなくて

社会に帰る事が不安で仕方なかったです。

そんな時に更生保護施設に受け皿になってもらい、無事に今の私が社会で生活出来ていると言っても過言じゃありません。

高齢者も一般受刑者も、やはり出所してからちゃんと自立するための準備が必要なんですね。

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認知症や高齢者の犯罪を減らすにはどうすればいいの?

地域生活定着支援センターの活用

出所後、最寄りがない元受刑者を支援するためにあるのが地域生活定着支援センターです。

刑務所を出た後、身寄りがないお年寄りや障害者などセンターのスタッフや支援。

住まい探しや福祉サービスを受けるための手続きを行い地域で暮らしていける様に支援する団体です

食費や寮費は国が負担するためにかかりません。

仮釈放で出所した人の受け皿になってくれる「更生保護施設」と同じような支援団体なんですね。

2度と同じ過ちを繰り返さずに生きていくには、やはり1人では抱えきれないほどの問題があります。

私はまだ、高齢者にはなりませんが私も、一般社会の協力や支援がなかったら今、この場所には居なかったかもしれません。

こう言った支援サービスはまだまだ社会に増えていってほしいなと強く感じます。

負の回転扉を止める

犯罪の背景には社会的孤立がある。

日本社会の抱えてる問題でもありますね。

負の回転扉とはどの様な事でしょうか?

刑務所に入る、刑期が終わる、刑務所の門を出される、それは単に元の振り出しに戻ってる状態だそうです。

刑務所の外でも福祉にちゃんととつながることでこの負の回転扉を止める事が出来ると話しておられました。

福祉は高齢受刑者にとって、とても大切な繋がりなんだという事なんですね。

大手スーパー(イオン)の認知症の方への対応への取り組み

大手スーパーのイオングループがある講座会が開いていました。

これは認知症の高齢者が来店された際の対応をどうするのかスタッフの訓練をする講座です。

「たまごたまご・・」と言いながら買い物カゴを持ったまま会計を済まさずにレジを通過するお年寄りと店長のやりとりの講座がテレビで公開されていました。

支払いを忘れてしまったり、レジを通さずに食べ物を食べてしまった。というトラブルが増えているそうです。

こうした事例に対し、犯罪として警察に通報する事ではなく家族や支援者に連絡するなど福祉の支援などの対応をする事も視野に入れています。

「認知症のお客様に対しての対応がわからなかったが、積極的に声をかけて認知症の方でも楽しく買い物ができる様にしていきたい」とイオンのコメント。

素晴らしいと思いますね。

認知症は確かに店の対応がわからなかった場合、万引きなどはすぐに警察に通報するしか手段がないと思うのが普通ですがこのイオンの講座は今後の認知症の方の

間違った判断を未然に防ぐ未来にも繋がりそうです。

今後のイオンの対応に期待が集まるのではないでしょうか。

今回のクローズアップ現代、高齢者の犯罪で感じたこと

高齢者受刑者に沢山関わる機会があった私ですが、高齢者でも特に認知症を抱えたお年寄りは、社会でも生きづらさを感じ、孤独になり、結果自分でも分からない間に犯罪を犯してしまって刑務所に何度も来るといった現実までを考えたことがありませんでした。

この負の連鎖を防ぐには今回の高齢者の犯罪に対する社会の考え方や対応は、もっと社会に広めて欲しいと強く感じましたね。

高齢者受刑者と言っても、まだまだ現役バリバリで運動時間に走っている人もいれば歩行器を押しながらゆっくり歩いてる体の不自由な方もいる。

私がトータル7年の服役で感じたことは、もちろん自分もそうですが人生の中で刑務所で最期を迎える様な悲しいことは絶対してはいけない。そう感じました。

今回のクローズアップ現代を観て、まだまだ社会が抱える高齢者の犯罪や認知症の方が抱える犯罪に関わる問題は課題が山積みだなと感じました。

また、刑務所の特集がテレビで取り上げられたらこうして記事にしたいなと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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Follow @autoro_syuhu(フォロー大歓迎!) 3歳ちゃーちゃんとH30年産まれのアー君を育児中の関西出身、福岡在住の主婦です。 訳あってアウトロー主婦を名乗らせて頂いてます。 料理のできない、ちょっとメンタルの弱い女ですが過去と今を懸命に生きています。そんな私が思うことを、ちょっとずつ発信していきます!